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望遠鏡の収納方法 その2

前回のエントリーで、鏡筒と三脚についてはうまいこと入れ物が見つかったわけですが、残るは大物かつ最重量のパーツであるSXD赤道儀の収納です。
一応、純正品として「SX用アルミケース」というのが売ってはいるのですが、定価で42000円、実売でも3万円以上するというシロモノで、収納するだけのものに対してこの出費はためらわれます。これに代わるものとしては、天体望遠鏡専門店であるアイベルがオリジナルの赤道儀用アルミケースを出していて、こちらは23100円といくらか安価です。ただ、ケースの内部写真を見ると分かる通り、緩衝材はほとんどなく(おそらくウレタン張りの壁のみ)、本当にただ「入る」というだけの簡素なものです。ちょっと中身が心配になります。
というわけで、もう少しいいものがないかと物色してみることにしました。が、ここでネックになったのがSXD赤道儀の大きさです。

大きさはざっくり上の写真の通りで、平面的には32cm×35cm程度。厚みは赤緯クランプないし極軸調整ねじが最も幅をとっていて、これが約15〜16cmといったところです。しかし、色々とケースを調べてみると、縦横ともに32cm以上の大きさを確保できるケースといううのは極端に少ないことが分かります。価格をとりあえず脇に置いておいて、主なところを並べてみると以下の通り。

メーカー商品名内寸(mm)重量(kg)価格備考
奥行定価実売
エツミライトアルミアタッシュLL3305001854.052310012600 
VANGUARDVGP-300W3405301856.52980021800キャスター付き
VANGUARDSupreme 46F3704802006.83580022500防水
PELICANPELICAN 15503554681935.44462533460防水
Thermodyneショックストップ SA3274422164.1-50400防水
このうち、エツミのとVGP-300Wはアルミケース、残る3つは樹脂の外装を持った防水・耐衝撃ケースです。 この中で最も安価なのはエツミのライトアルミアタッシュLLですが、店頭で実物を見てみると、アイベルの赤道儀ケースと同様、内装はウレタン張りの仕切り板のみ。別途、ウレタンを購入して加工すれば済む話ではありますが、正直面倒です。さらに、赤道儀を入れる向きによってはギリギリ入らない恐れも。 次に安いのはVANGUARDのVGP-300W。こちらはキャスターがついていて運搬が楽そうですが、サイズがギリギリなのは同様。しかもケースの自重もかなりあります。さらに、調べてみるとキャスター自体がかなり貧弱な感じで、車輪も小さく、思ったほど使い勝手はよくなさそうです。 残る3つはいわゆる「ペリカンケース」と総称されるタイプのケースですが、いずれも相当ゴツく、外寸の大きさがネックになります。安心感はあるんですが…。 さぁ困った、どうしようかと思ってヨドバシの店内をうろついていると…ちょうどよさそうなものを見つけました。サイズを測ってみると十分行けそう。メーカーに問い合わせたところ、重さも軽く、自分の目的には十分そうです。 というわけで購入したのが、コメットの「布ケース CB用」なる商品。ヨドバシで18560円でした。コメットはスタジオ撮影用のストロボシステムなどを扱っている会社で、このケースは本来、ストロボ電源とストロボヘッドを入れるためのケースです。目的外使用もいいところですが、内寸は355×590×200mmと絶妙の大きさ。精密機器を入れる関係上、固い側板にクッションも入っていますし、布製なので重量はたったの2.5kgしかありません。業務用ストロボ電源のような重量物のためのバッグですから、強度も問題なし。まさに至れり尽くせりです。 とりあえず、赤道儀などを入れてみると、高さ、幅ともにぴったりです。ついでにウェイト、ハーフピラー、コントローラーも入れてみました。ここまで入れてしまうと持ち上げるのは重量的に大変ですが、短距離の移動なら十分行けそうです。収納時もコンパクトですし。なお、仕切り板はマジックテープでケース内に固定されていて、必要に応じて動かすことができます。カメラバッグでよく見られるアレです。 蓋のほうには小物入れがあったので、電源ケーブルやコントローラーの接続ケーブルはこちらへ。 これで望遠鏡一式、きれいに収まりました。しかし、鏡筒の収納もそうでしたが、スタジオ撮影用品のケースはなかなかいいのが揃っていて狙い目ですね。上記のコメットの他にも、サンテックやフォトフレックスあたりの製品は色々と使い出がありそうです。