PHD2の日本語マニュアルを公開しています。こちらからどうぞ。

個人サイト「Starry Urban Sky」もよろしく。

イヤホン選び

本格的にイヤホンの後継機を決めようと思って、今日、あちこちでいくつかの機種を試聴してきました。私の場合、聞く曲のジャンルが静かなバラードからハウス、ヒップホップに至るまで、結構多岐にわたっている*1ので、そこそこオールマイティにこなせる機種が望ましいです。また、耳介が比較的小さい上にメガネをかけているので、耳の上にケーブルを回す俗に言う「Shureがけ」は厳しいんですよね。と、この時点でShureやUltimate earsはほぼ脱落。残ってくるのは…うむ、意外と少ないですね(^^;

Panasonic RP-HJE900

ハウジングの素材にジルコニアを採用したという、同社の最上位モデル。各所で耳への収まりが悪いと書かれていましたが、耳の形の関係か、私の場合はピッタリ収まってズリ落ちるようなことはありませんでした。ケーブルのタッチノイズは小さめ。
音質に関しては、これまで使っていたRP-HJE70をもう少し引き締めたような感じ。制動力のある中低域など全体の味付けとしては似ているものの、RP-HJE70ほどの派手さ、華やかさはありません。ただその分、解像感はこちらの方がやや上かもしれません。
とはいえ、1万円前後で買えたRP-HJE70に対し、倍近い金額を払う価値があるかというと微妙なところ。ケーブルが交換できるようになっているので、今回のような断線に対する安心感はあるんですが、新しいイヤホンを買い換える口実がなくな(ry

Sony MDR-EX500SL

耳穴に対して垂直にユニットを配置することで大口径ユニットの搭載を可能にした「MDR-EX700SL」の廉価版。ユニットが垂直とはいえ、耳が比較的小さい私にうまくフィットするか不安でしたが、装着感はとりあえず問題なさそうです。ケーブルのタッチノイズは小さめ。
音質は、いかにもソニーといった中低音重視のもの。解像感はそれほどでもない感じですが、かなりの重低音まで出ていますし、昔から慣れ親しんだバランスだけに安心感はあります。が、RP-HJE70との比較で言えば、音のキレや解像感で一歩譲るようなところがあり、かといってキャラクターが極端に立っているわけでもないので、イマイチ魅力が薄いです。少なくとも、つけたときの感動が薄かったのは確か。ひょっとすると、耳の大きさの関係で、自分ではちゃんと装着できているつもりでも、きっちり入りきっていないのかもしれませんが…。もっとも、それはそれで問題(^^;

DENON AH-C700

高剛性ボディや、振動板の上下の音圧バランスを調整し音響特性を最適化する「アコースティックオプティマイザー」構造の採用で、音質の向上を図ったという同社の最上位モデル。ケーブルのタッチノイズは普通といったところでしょうか。耳からハウジングが真横に飛び出てしまうデザインは好き嫌いが分かれそうです。
音質に関してですが、とにかく笑ってしまうほど低音が出ます。低音が得意といわれたRP-HJE70と比べても迫力が一段上です。とはいえ、高〜中音域がその低音に飲み込まれず、そこそこの解像感を保っているのは大したもの。本音を言えば、低音がもう1割ほど少なければバランスはよりよくなりそうなんですが、このイヤホンでしか出せない音があるのも確か。ロックやハウスとは相性がよさそうです。
ただ、こいつの場合は装着感が問題。試聴したところではSサイズとMサイズのイヤーピースを試すことができたんですが、Sだと小さすぎて肝心の低音がスカスカに。一方のMだととりあえず耳穴に密着はするものの、刺さり方が浅くなるせいで、すぐにズリ落ちてきてしまうんですよね。もしこれを買うなら、使えるイヤーピースを探し回らなければならなそうです。

Klipsch Image X10

アメリカの老舗オーディオ機器メーカーの最上位機種。価格帯が他の機種と比べて飛びぬけていますが、外観の格好良さにつられてつい。また、バランスド・アーマチュア(BA)型の中では比較的くせのない音という評判も聞いていましたので、オーディオテクニカの神経質なまでの高分解能が苦手な自分でも大丈夫かもという思いもありました。
本体が小さいだけに、装着感はきわめて良好。ただし、本体が軽く、また耳の奥まで入るせいか、ケーブルのタッチノイズはやや多めに感じました。
音質は、低音から高音まで非常にバランス良く出ており、解像感も高くて素直な音質。かなりの高い次元でバランスが取れている印象です。よく言えば自然で聞き疲れしない音、悪く言えばやや個性に乏しい音と言えるでしょうか。この機種の場合、問題はやはり4万円近いその価格ですね。高品質なのは間違いないんですが、バランスが取れすぎていて突出した部分がない点、少々物足りないともいえるでしょう。というか、第一、プレーヤー本体よりイヤホンの方が高いというのは正直どうかと…(^^;

Klipsch Image X5

Image X10の廉価版とでも言うべき機種で、X10と比べて低音が強化されているのがウリになります。で、X10と聞き比べてみると、確かに低音はX10より迫力がありますが、解像感などはX10に劣る感じ。どちらかというと、BA型というよりはダイナミック型に近い鳴り方です。とはいえ、低音の出方なら当然ダイナミック型の方に分があるわけで…。「いいとこ取り」をしようとして、逆に中途半端になってしまったような印象があります。この音で3万円近い価格というのは、正直少々高すぎますね。

さぁ、困りました。どれもこれも一長一短。さて、どうしたものか…。

*1:9割がた女性ヴォーカルで、その点では激しく偏ってますが