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魔法遣いに大切なことの作画がすごすぎ

http://guideline.livedoor.biz/archives/51092352.html
前作のアニメ「魔法遣いに大切なこと」のデキがあんまりだったので、今回のは見ていなかったんですが、なんだか背景にやたらと力が入っていたようですね。たしかに、まるで実写と見まごうような仕上がりですが…アニメの背景画としてはマズいでしょうね、これは。まず第一に、前景を引き立てるはずの背景画が前景を食ってしまっていますし、ミスマッチ感も相当なもの。そして、おそらく写真を元にトレースしたものだとは思いますが、あまりに写真そのままで、せっかく絵にした意味がまったくないというのが致命的ですね。
写真を元にトレースというのは私もやったことがありますが、効果的にやるなら光線の演出にせよ、線の取捨選択にせよ、目的と意図に応じて調整する必要があります*1。が、そうした過程を踏んだ形跡がほとんどない。だから、写真を背景に配しただけの「手抜き」に見えてしまうんです。この背景、相当な労力がかかっているはずですが、その意味でなんとももったいないです。

*1:たとえば、雰囲気をより強調するために、色やコントラスト、描写密度、物の配置や質感を変更することはしばしば。このあたりは、男鹿和雄氏や新海誠氏がいいお手本になります。