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AMD、DirectX 10.1対応の「Radeon HD 3800」シリーズ発表

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1115/amd.htm
このところNVIDIAに一方的に押されっぱなしの感があったAMDATi)ですが、GeForceシリーズの機先を制してDirectX 10.1対応、55nmプロセス採用のRadeon HD 3800シリーズを投入。これで機能面、プロセスルール面では一歩先んじた形になりますね。もっとも、プロセスルールの微細化はともかく、DirectX 10.1対応に関しては、DirectX 10対応のゲーム・アプリさえ大した数が出ていない現状では、実用上はそれほど大きな意味はないとも言えますね。どうせDirectX 10.1が本格的に使われるようになる頃には、このカードではパフォーマンス不足になってそうですし(^^;
むしろ機能面では動画再生支援機能の方が実用性は高いでしょうね。さらに新機能としては、4基のGPUで分散処理を行う「CrossFireX」などというものも。上位機種のRadeon HD 3870では、カードが2スロットを占有するという構造上の制約からか、3枚のカードの並列動作にとどまるようですが、下位のRadeon HD 3850では4枚のカードの並列動作が可能。AMD曰く、3枚挿しでは2.5倍程度、4枚挿しでは3倍程度にまでパフォーマンスが向上するとのことですが、実際のところどの程度のものなのか、気になるところです。もっとも、当然のことながらカードの枚数分の金額がかかるわけなので、マザーボードの対応も含め、敷居はそれなりに高いですね。ただ、カードの参考価格はRadeon HD 3870が210ドル、同3850が179ドルと比較的安価に設定されている*1ので、金額面では従来に比べれば多少マシでしょうか?
で、肝心の性能ですが、以前からリークされていたベンチマークでは、Radeon HD 3870でもGeForce 8800 GTに及ばないという結果が出ていましたが、こちらこちらベンチマークなどを見ると、やっぱりそれほどのインパクトはないですね。メモリのアクセス幅が、従来のRadeon HD 2900 XTの512bitから256bitに減らされているのが響いていそうです。まぁ、位置づけとしてはRadeon HD 2900 XTの後継というよりは、費用対効果と機能をウリにする「エントリーハイエンド」の範疇に入る機種ですから、総合的な使い勝手で勝負ということなのでしょうけど、このあたりをどう判断するか…ですね。
ただ、フラッグシップのジャンルがが事実上NVIDIAの独走状態というのが、ブランド全体の印象を悪くしているのも事実なので、早く何とかしたいところ。Radeon HD 3800シリーズのフラッグシップは、Radeon HD 3870を2個搭載する「Radeon HD 3870 X2」になる予定ですが…デュアルGPUのカードって、どうしても苦し紛れのキワモノ感*2が漂うのがなぁ…( ̄▽ ̄;ゞ

*1:アキバでは早速、Radeon HD 3870が3万円台後半、同3850が2万円台後半程度で発売されているようです。参考価格からするとちょっと高めですが、いずれ落ち着いてくるのではないでしょうか?

*2:Rage Fury MAXXとか、Voodoo5 5500とか、Volari Duo V8 Ultraとか…。こうやって書き出してみると、改めてアレなラインナップですね(^^;