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ダイエットサイト閉鎖問題で岡田斗司夫さんがブログで釈明

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071026-00000913-san-soci
http://putikuri.way-nifty.com/blog/2007/10/post_1f84.html
先日、「いいめもダイエット」というダイエット支援サービスが停止された話を紹介しましたが、この件に関して、サービスに対して抗議した岡田斗司夫氏からの釈明が。
内容はやたらと長い上に、引用に「ノーカット」という条件がついているのでリンク先で読んでもらいたいのですが…う〜ん、心情的には分かるのだけど、いささか無理もある主張ですね。
本にせよなんにせよ、作品をひとたび世に出してしまえば、その見方や、影響について作者がコントロールすることはできません。もちろん、作者の意図とまったく違った利用のされ方をしたり、誤解や誤読も発生するでしょうけれど、それは受け手側の自由であり、作者が「そんなつもりで書いたんじゃない」と騒いでも無意味です。今回の場合、岡田氏は本の中に、ダイエットを続けるためのさまざまな工夫を盛り込んだようですが、読者がそれを読み飛ばしたり、他人に紹介する際に作者から見て不適切な要約をしたからといって、責められる筋合いはありません。第一、作者≠読者なのですから、作者の意図が100%正しく伝わるなんてありえないのです。
今回の件では、岡田氏言うところの「誤解に基づいた」内容のサービスが岡田氏の名前と著書名を引き合いに出した上で公開されていたということですが、この場合、氏の名前と著書名の使用は道義的に問題があるかもしれない*1とは思うけれど、サービス内容に関してアレコレ言う権利はないでしょう。作者として非常に残念なのは分かりますが。
それに第一、サービスはあくまで「ツール」ですので、本を「正しく」読んだ人が有効に使う可能性だってあったわけです。開発の動機が読者からの声だったということから考えても、その可能性はかなり高かったはずですが、その芽まで摘んでしまったのは非常に惜しいし、残念。そうした意味からいえば、サービス停止にまで追い込まずとも、氏の名前と著書名を外してもらうだけで十分だったように思います。
ところで、この釈明で気になるのは、「いいめもダイエット」の開発ブログに記されていた岡田氏の主張、

しかしながら、著者の岡田氏より、「記録をしてダイエットに結びつけるという発想は、私の著作からスタートしていますので、見た目上はただの記録するのに便利なものですが、それをダイエットに結びつけているという点で言えば、私の著作の核心と同一ですので、著作権の侵害に当たる可能性が極めて高いと思います」などのご指摘をいただき、「「いいめもダイエット」の取り下げを希望いたします」と求められました。

という、著作権侵害云々に関する話がまったくなかったこと。メールの全文が公開されていないので、上記の主張が本当に岡田氏のものなのか、曲解されたものなのか判断がつきません。これを放置されると、それこそ著作権についての誤った知識が広まってしまいそうです。
もっとも、岡田氏のブログでの釈明に「ノーカットという条件で引用可能」などとされているあたり、岡田氏が本当に著作権のことを分かっているのか疑問に感じてしまいますね。この辺からすると、実は「開発ブログ」に引用されていたのが岡田氏の本来の主張で、ネット等で著作権では保護されない云々と指摘されたのを知って、この釈明を準備したと邪推したくも…。

*1:実際にこのサービスが公開されていた際、どのような形で氏の名前と著者名が使われていたのか分からないので、断定的な言及は避けますが。