PHD2の日本語マニュアルを公開しています。こちらからどうぞ。

個人サイト「Starry Urban Sky」もよろしく。

「VAIO type U ゼロスピンドルモデル」のフラッシュメモリ寿命を考える

昨日の記事のコメントで、くりにゃーさんがフラッシュメモリの耐久性を気にしておられました。皆さんご存知のとおり、フラッシュメモリには書き込み回数に制限があります。一般的には10万回程度でしょうか?となると心配なのは、システムディスクとして寿命的に大丈夫なのかという点。スワップなんか始めたら、結構頻繁に書き込みしそうですし…。
が、結論から言えば、おそらく心配するほどのことはないのじゃないかと思います。フラッシュメモリには、書き込みが特定領域に集中しないようにする「ウェア・レベリング」という機能があります。ブロックごとに書き込み回数を管理して、データを書き込むブロックを平均化するわけですな。
で、「Type U」の場合、フラッシュメモリの容量は19GBですから、ウェア・レベリングが理想的に働いて全ブロックをまんべんなく使ったとすると、書き込める積算容量は19GB×10万回=190万GB=1900TB=1.9PB(ペタバイト)にも達します。フラッシュメモリが書き込み動作を行う場合、書き込み対象のブロック内の有効なデータを他ブロックへ移動した後に書き込みが行われるので、1つのブロックに対する書き込みであっても実際には2つのブロックが使用されることになって、外部から書き込める積算容量は上記の半分になりますが、それでも製品寿命が5年(PCとしてはこんなものでしょう)、すなわち365×5=1825日として、1日あたり約500GBの書き込みに耐える計算になります。さらに、システム部分が書き込み対象として使えないとしても、空き領域は全容量のおよそ半分、約9GBありますから、1日あたり250GB程度の書き込みに耐えられることになりますね。
まぁ、実際のフラッシュメモリ上のデータのハンドリングには色々な制限がありますし、こんな理想的には行くはずはありませんが、フラッシュメモリには不良ブロックをマークする機能もありますので、上記の計算に誤解や間違いがあったり、安全係数を見込んだりしても1日あたり数十〜100GB程度の書き込みはまず問題ないのじゃないかと思います*1
むしろ、モバイル機という性格上、HDDモデルのほうが耐衝撃性に劣る分、壊れやすいかも…(笑)

*1:レビュー記事によれば「Type U」搭載のフラッシュメモリの書き込み速度はおおよそ10〜20MB/sといったところですから、100GB書き込もうと思ったら5000〜10000秒…だいたい1時間半〜3時間は書き込み続けなければなりません。毎日毎日そんな使い方すること、まずありませんやね(^^;